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GS

spiders1’64年ころからいわゆるエレキ・ブームがやってきます。それまではビッグバンド・スタイルが主流だったカバーポップスの伴奏にもギターを中心にした、少人数のコンボスタイルが登場してきます。

こういった流れの中でスパイダースが’65年5月に「フリフリ」(詩・曲:かまやつひろし編曲:田辺昭知)をリリースします。「グループサウンズ」の登場です。(以後、GSと表記します。)
メンバーはリーダーの田辺昭知(ドラム)、加藤充(ベース)、かまやつひろし(ギター)、井上孝之(ギター)、大野克夫(キーボード)、堺正章(ヴォーカル)、井上順(ヴォーカル)の7人。アレンジには若干のぎこちなさは残るものの、ギターを前面に押し出したファンキーなサウンドとロックスピリットを感じさせるヴォーカルは記念すべきGS第1作にふさわしいナンバーに仕上がっています。B面の「モンキー・ダンス」(詩:阿久悠・曲:脇野光司)はけだるいヴォーカルが印象的であるとともに、以後、偉大な足跡を残す作詞家阿久悠のデビュー作でもあります。
3作目の「ノー・ノー・ボーイ」(詩:田辺昭知・曲:かまやつひろし)はトロピカルな香りのするミディアム・スローのバラードで、洗練されたサウンドはソングライターとしての、かまやつひろしの資質の高さを窺わせます。
次のシングルの「青春ア・ゴーゴー」(詩:青島幸夫・曲:脇野光司・編曲:大野克夫)は大野克夫のオルガンが大変印象的なナンバーで、同名映画の主題歌でもあります。日活映画の記述も併せて参照して下さい。
5枚目の「ヘイ・ボーイ」(詩:ささきひろと・曲:かまやつひろし)は「バリ島珍道中」という映画での堺正章のドラムを叩きながら歌うシーンが印象的でした。
堺正章のヴォーカルとそれに絡むコーラスが印象的な「サマー・ガール」(詩:ささきひろと・曲:かまやつひろし)を挟んで、ついにスパイダースにも大ヒットが生まれます。
「夕陽が泣いている」(詩・曲:浜口庫之助・編曲:ザ・スパイダース・チャーリー脇野)は’66年9月にリリースされたセンチメンタル全開!のバラードで、ハマクラらしさ溢れるメロディーにマチャアキ(堺正章)のヴォーカルの上手さを堪能できるいかにも日本人好みのナンバーです。この1曲でスパイダースが世間に知れ渡ると共に、ブルーコメッツの「青い瞳」のヒットとも相まってGSという新しいムーブメントが認識されるきっかけにもなりました。
井上順のシングル初のヴォーカルとなる、「なんとなくなんとなく」(詩・曲:かまやつひろし・編曲:林一)を挟み、’67年3月にリリースされたのが私の一番のお気に入りの「太陽の翼」(詩・曲:利根常昭・編曲:林一)です。

「太陽の翼」の素晴しい点はなんといっても「バランスの良さ」です。哀愁味溢れるメロディー、印象的なAメロのオルガンのリフ、力強いサビのビートを強調したリズムとそれに絡むコーラスワーク、というようにどの要素も絶妙なバランスを保って楽曲の質を高めるのに貢献しています。スパイダースのバンドとしての資質の高さは、実はこのナンバーに顕著に表れている、と私は思います。作曲者の利根常昭は寡作ですが、私のツボを見事に射抜いてくれるイカしたソングライターで、要注目です。

この他にも優れたナンバーがたくさんあるので、私のお気に入りを簡単にご紹介します。(カッコ内は作曲者)
「風が泣いている」’67(浜口庫之助)「真珠の涙」’68(かまやつひろし)「赤いドレスの女の子」’68(かまやつひろし)「涙の日曜日」’69(鈴木邦彦)「エレクトリックおばあちゃん」’70(かまやつひろし)「涙のイエイエ」’67(かまやつひろし)「夢のDC8」’67(かまやつひろし)「夜明けの太陽」’67(かまやつひろし)「メラメラ」’67(かまやつひろし)「あなたといる時そんな時」’68(井上孝之)私のお気に入りだけでCD1枚作れますね。(笑)

私の考えるスパイダースの優れたところは、メンバーのミュージシャンとしての質の高さ、かまやつひろしと大野克夫という、類稀な二人のアレンジャーを抱えるアレンジの素晴らしさ、ヴォーカリストとしての堺正章の歌声の魅力、といった音楽的な要素に加えて、ステージにおいての抜群のショーマンシップも他の追随を許さず、バンドとしてのパフォーマンスの高さは現在においても決して色褪せていないと信じます。
スパイダースに接したことのないみなさん、この機会に是非一度聴いてみて下さい。決して損はしませんよ。(笑)

スパイダースが成功を収めた事で、GSという新しいムーブメントが世間に注目されていきます。次回はスパイダースと共にGSを世に広める原動力となったもう一つのメジャー、ブルーコメッツを取り上げます。

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