« ビートガールズ1(その2) | Main | ビートガールズ2(その1) »

青江三奈

isezakityoublues
1月に友人に会うため、中野へ行きました。中野にはブロードウエイという粋なモールがあり、歌謡曲の中古CDが数多く取り揃えられているCDショップがあります。その店で以前から気になっていた「青江三奈のすべて」という3枚組みを購入しました。

青江三奈さんはジャズシンガーとしてのキャリアを経て’66年に「恍惚のブルース」でデビューします。ハスキーな歌声だけが人々の記憶に残っている感がありますが、余裕のある声量に裏付けられた歌唱力は女性歌手の中でも屈指であり、歌声に明るさがあるのも一連のヒット曲を印象づける点において大きく貢献していると思います。

私の一番好きなナンバーは「国際線待合室」です。「BOAC航空出発便のご案内を申し上げます」で始まる空港でのアナウンスが印象的なこの曲は空港で恋人を見送る男女の別れの歌ですが、青江三奈さんのサラッとした歌い回しのおかげで、何か爽やかな印象を与えます。ゆったりとしたサウンドでこれぞ歌謡曲の王道、といったAメロに続いて「ひとり来ました逢いたくて ああ 涙の空港待合室」と続くBメロからサビへの展開はサウンドの密度が大変に濃く、何度聴いても飽きません。3番の「異国の空に消えた人 ああ 大阪空港待合室」のラストを聴くたび涙してしまいます。私にとっては間違いなく「歌謡ポップスベスト10」に入る名曲です。
次に取り上げたいのが彼女の代表曲、「伊勢崎町ブルース」です。イントロの溜息だけが話題になりますが(笑)ジャズとR&Bを融合したようなユニークなリズムに、彼女の実に良くドライブした歌唱がマッチして、ダイナミックなナンバーに仕上がっているところが聴きどころではないでしょうか。Aメロのユニークなリズムに続いてピアノが心地良くリズムを刻み、たたみかけるようなサビまでの展開は実にダイナミックです。「シュドゥビドゥビドゥビ」というスケールの大きなスキャットは、さすがジャズシンガーの面目躍如です。楽曲の素晴らしさをもっと多くの方に知って欲しい気持ちでいっぱいです。
もう1曲、「新宿サタデー・ナイト」も実に印象深いナンバーです。ライターチームが「伊勢崎町ブルース」と同じで、さながら「メジャー版伊勢崎町ブルース」の趣きもありますが、(笑)こちらは前者に比べてちょっと軽やかな仕上がりになっています。おや、と思ったのが「さよならと乗ろうかな最終の長野行き」「若い街の 恋の街の」といった若さをアピールする歌詞です。こういった明るい曲調が案外彼女の歌唱に合っているような気がします。「サタデー・ナイト」の直前の「タメ」が彼女の歌唱力の確かさを窺わせると思います。

映像においては日活映画「女の警察」というシリーズのレギュラーで、特に3作目の「女の警察・国際線待合室」では彼女の歌う姿を堪能できます。残念ながら音源を所有していないのですが、挿入曲の「愛して恋して別れた二人」は歌謡ポップスの王道をいく、チャーミングなナンバーです。

以下に青江三奈マイベスト10をあげておきます。(例によって順不同です。)

「恍惚のブルース」(川内康範/浜口庫之助/寺岡真三)
「伊勢崎町ブルース」(川内康範/鈴木庸一/竹村次郎)
「長崎ブルース」(吉川静夫/渡久地政信/寺岡真三)
「新宿サタデー・ナイト」(佐伯孝夫/鈴木庸一/竹村次郎)
「国際線待合室」(千坊さかえ/花礼二/近藤進)
「夜がわたしを誘惑するように」(佐伯孝夫/鈴木庸一/小谷充)
「夜の瀬戸内」(吉川静夫/渡久地政信/寺岡真三)
「木屋町の女」(千坊さかえ/花礼二/近藤進)
「ベイブリッジ・ブルース」(ジェームス三木/吉田正/服部克久)
「しのび逢いそっと」(荒木とよひさ/浜圭介/川村栄二)

青江三奈さんは残念ながらお亡くなりになりましたが、どんなに時を経ても彼女の歌声はけっして色褪せないと信じています。みなさんんも是非青江三奈さんの珠玉の歌の数々に触れてみて下さい。

|

« ビートガールズ1(その2) | Main | ビートガールズ2(その1) »

Comments

青江三奈さん・・良いですね。なんとも言えない艶のある歌声が好きでした。

「紅白」では、「五十音順」なのでいつも一番に入場していたことを覚えています。ヤスシさんの「ベスト10」には 入っていませんが「銀座ブルー・ナイト」と言う歌も好きでした。

「チーター」が初めて「トリ」をした時に「黒子」として衣装換えを手伝ったり、他の歌手にも親切にしていたのも印象に残っています。人情深い方だったんだなぁ・・と しみじみ今 思い出した僕でありました。

「カラオケ」で「伊勢佐木町ブルース」を歌おうとしたら キーが合わずに 悲惨だったことも思い出してしまいました。(笑)

Posted by: よっちゃん | June 21, 2005 at 01:01 PM

私も某掲示板で青江さんがとても優しい方だったと複数の方の書き込みを見ました。気持ちが歌に滲み出ているのですね。
私もそんなに知っているわけではないので、他にもいい歌はたくさんあるのでしょうね。
「銀座ブルーナイト」、機会があったら聴いてみたいと思います。
カラオケでキーが合わず悲惨な思いをするのは良くある事ですよね。(笑)
私は西田佐知子さんの「涙のかわくまで」で四苦八苦していました・・(苦笑)

Posted by: ヤスシ | June 21, 2005 at 02:05 PM

はじめまして、ミクシーの筒美京平コミュから来ましたスワンと申します。
自分の好きなジャンルが多くて楽しいブログですね。
青江さん素晴らしいですよね。
自分のHPを始める時一番最初に取り上げたのが彼女です。
(今ブログに移行して、まったく更新してませんが…)

自分が一番すきなのは「霧のハイウェー」です。この曲ってCD化されてないんですよね。青江さんの全音源CD化希望です!

Posted by: スワン | June 29, 2006 at 01:13 AM

そういえば、「女の警察」の青江さんも素敵でしたね。
「国際線待合室」、花さんの気迫が感じ取れます。
空港のアナウンスって音楽のSEには最高ですよね。
ちあきなおみやモーメンツの名曲を思い出します。
遠くへ行ってしまう感が漂います。

Posted by: スワン | June 29, 2006 at 01:18 AM

スワンさん、コメントありがとうございました。
けっこう似通った音楽嗜好をお持ちかも知れませんね。
ブログも拝見しました。実に良く解っていらっしゃる
と思います。
ちあきなおみさんの「夜間飛行」も最高ですね!

Posted by: ヤスシ | June 29, 2006 at 03:29 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74970/4644772

Listed below are links to weblogs that reference 青江三奈:

« ビートガールズ1(その2) | Main | ビートガールズ2(その1) »