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2005年のマリーンズ

「データで振り返る05年のマリーンズ」という訳で今日の日刊スポーツに掲載されたパ・リーグの打撃成績及び投手成績を読んでいたら、興味深い数字を発見しました。
打撃成績では得点が740でもちろんパ・リーグ1位なんですが、(2位のホークスが658)眼を惹くのは2塁打・3塁打の多さです。下の表は左から2塁打・3塁打のチーム総数です。
1 M 278 1 M 34  
2 L 234 2 H 23
3 H 225 3 F 22
4 E 209 4 L 18
5 B 202 5 B 17
5 F 202 6 E 16
昨日お話した「1つ先の塁へ進む意欲」はこの数字によく現れていると思います。
投手成績では四球の少なさが目立ちます。チーム総数は283でもちろんリーグ最少ですが、次に少ないオリックスでさえ357、ワーストの日本ハムは467ですからいかにマリーンズ投手陣が無駄な四球を与えていないか判りますよね。安打・本塁打ではホークスより多く打たれているのですが、四球の少なさが3.21というリーグ1位の防御率に貢献していたのですね。

では、各選手の今年の印象を振り返ってみたいと思います。
打者ではまず今江から。初めて1シーズン通して出場したにもかかわらず、本来疲れが出てくるはずの7月以降にぐんぐん打率を上げて首位打者を狙えるポジションにまで達しました。並外れた体力の持ち主なんでしょうね。なんでも2ストライクでの打率が12球団トップだそうで、思い切りの良さも爽快でした。打席では強面なんですが、ヒットを打った時やヒーローインタビューでの屈託のない笑顔が少年ぽくて印象的でした。
8月中旬からベニーにかわって4番を任されたサブローの活躍ぶりも見事でした。それまでは.280くらいだった打率が4番に座ってからは快打連発で.313まで上がりました。規定打席には及びませんでしたが、安定した守備と共に貢献度大だと思います。
地味ではありましたがシーズン通して活躍したのがフランコです。.300・20HR・78打点とトータルでは安定した活躍ぶりでした。チーム最多の520打席は一番信頼されていたなによりの証です。窮屈そうなフォームと昨年の成績からは多くを望めないと思ったのですが、7月の打線全体の下降時に必死にボールに喰らいついていたシーンは印象的でした。去年を上回る成績を残せたのは影の努力の賜物なのでしょう。インタビュー時の「アリガトゴザイマシター」は性格の良さを物語っていると思います。
腰痛を抱えながら随所でタイムリーを放ち、5年連続の3割をマークした福浦、30HRの内26本が勝利に結びついたイ・スンヨプ、前半戦の快進撃の象徴であり、ダントツの11の3塁打とともに屈指の広い守備範囲で貢献した西岡、スランプの無い安定した打撃で9年振りの3割を記録した堀、もはや職人芸とも言えるフィールディングの上手さを堪能させてくれたと共に、切り込み隊長として.283の打撃でも貢献した小坂、「ミスターお立ち台」と呼ばれる底抜けの明るいキャラクターと共に、迫力あるバッティングフォームで窮地をたびたび救った里崎、里崎とは対照的な捕手らしい落ち着きのあるリードで投手陣を引っ張った橋本、もはや「控え」とは呼ばせないほどスタメン、代打、守備固めのいずれでも思い切りの良さを見せ付けてくれた大塚、前半戦の快進撃の中心となって長打を連発したベニー、12人いづれもが持ち味を存分に発揮したシーズンでした。

投手やスタッフについては次の機会に印象を述べたいと思います。

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マリーンズサポーターありがとう!

久々の更新でございます。(汗)2005年パ・リーグのレギュラーシーズンの全日程が終了しましたので、自分なりの感想を書かせていただこうと思います。
今シーズン、生で観戦したのはわずか2試合でしたが、暇にまかせて?スポーツ・アイ以外のCS中継はほとんど観ました。最初に申し上げたいのは毎試合スタンドに足を運んでチームを心からサポートしたマリーンズサポーターの情熱です。他のチームのファンの方も熱心なんですが、マリサポの素晴しいところは「選手と一緒に戦っている気にさせてくれる」バラエティに富んだ楽しい応援スタイルです。飽きないしノリがいいんです。特に1試合に1-2度、ここぞという場面で登場する「チャンステーマ」は勇壮でスピーディーで力強い。思い返してみると、この「チャンステーマ」がマリーンズファンになるきっかけだったかも知れません。
今シーズン、マリーンズは35の「貯金」をしました。ホークスがそれよりも更に9つ余分に「貯金」をしましたので、2位に甘んじたのですが、この35の貯金というのがどれほど凄い数字かを実感する為にセ・パ共に1シーズン制に戻った’83年以降の優勝チームの「貯金」の数を調べてみました。優勝チームで35を上回ったのは’83西武・’89読売・’90西武・読売・’91西武・’95オリックス(35で同数)・’02西武・’03阪神の僅か8チームしかありません。ちなみに2位のチームで貯金が35を上回ったというと’56年の南海ホークス(貯金44!)まで遡ってしまいます。この他に2位以下で貯金30を上回ったのは2リーグ以降(’50年ー)では延べ9チームのみ(’55年の毎日は3位で貯金30を記録!)達成できた、途方もない数字なのです。
思わずマニアックな方向へ進んでしまいましたが(笑)、要するに「堂々と胸をはれる成績」なのです。勝負の世界は何が起きるか判らないものですが、プレーオフの1stステージでは実力の差を見せ付けてくれるでしょう。そして2ndステージでホークスを撃破したら、九州で暴動が起きるかも知れませんが・・(笑)
プレーオフの是非については喧々諤々の議論が交されているようですが、今年も揉めるようなら2シーズン制しかないんじゃないでしょうか?(笑)

今年の好成績の原動力はなんといっても選手の頑張りに尽きると思いますが、好調を維持できるよう、選手層を厚くしてシーズンを乗り切ったボビーの用意周到なチーム構成には流石、と唸るよりありません。新人王候補として大活躍した久保投手以外には去年と殆ど変らぬ顔ぶれでこれだけの好成績を収めた舞台裏には、長い監督生活の中で培った中級クラスのチームを優勝争いに加わらせる為のノウハウが奇跡ともいってよい結実ぶりを見せたからに他ならない、と思います。
以前にもちょっと述べましたが、ホークスの松中・ズレータ、ライオンズのカブレラ・和田、ファイターズの小笠原・セギノールといった「大砲」のいないチームの得点力をアップさせる為に常に1つ先の塁を狙う意欲を全選手に植え付け、不必要なプレッシャーをバッターに与えない事によって「つないで」加点していく作戦が両リーグ最高の740点というチーム得点に如実に現れていると思います。話題になった捕手2人併立制やレギュラーを常に2人多く抱える事による「日替わりオーダー」のおかげで、前半と後半で好調選手が入れ替わってもチーム全体の得点力が落ちなかった事などもシーズン当初の構想が上手く実を結んだ好例と言えると思います。
選手個々の活躍ぶりについては改めて記してみたいと思います。

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