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Bobby's Children

マリーンズがパ・リーグを制覇してから早3日。ヤスシもようやく落ち着きを取り戻しました。(笑)

優勝祝勝会をCSで観ました。選手のはしゃぎっぷりは脳裏に焼きついておりますが、印象的だったのは重光Jr.の挨拶の短かった事。こういった場ではお年寄り然としたオーナーが、長々と気持ちのこもっていない挨拶をするのが恒例のように思うのですが、さすがは元陸上選手でもある重光Jr.、選手の気持ちをよーく判っていらっしゃる!そして、マイクを向けられたボビーが滝の如く選手にビールをかけられながらも、いやな顔ひとつせず、「ドーモ、ドーモ」と楽しそうに応えていましたね。

バレンタイン監督が再びマリーンズに就任してから2年間で、ようやく選手に彼の意図が浸透して栄光を掴みました。際立ったスター選手のいない中、「常に1つ先の塁を狙う意欲」を全選手に植え付け、それを実戦の場で着実に実践する事によって大幅に得点力をアップさせました。2ndシリーズ5選目の逆転のホームを踏んだ福浦の走塁に顕著に現れていたと思います。彼はそんなに足の速い選手ではないと思いますが、シーズン中から何度となく1塁、あるいは2塁からギリギリのタイミングになる打球でホームを陥れてきました。打球判断の素晴らしさが実を結んだんだと思います。
捕手を含め、常に3人のレギュラーを抱えてシーズンに臨む作戦も、プレーオフではライオンズがカブレラ、ホークスが城島という中心選手を欠いた事による戦力ダウンをマリーンズは免れる事が出来ました。
投手起用においても、中6日のローテーションを崩す事がありませんでした。これによって先発投手陣の故障による離脱を防げたと共に、2人あるいは3人の主力投手に肉体的、精神的な負担が集中して大一番において力を発揮できないような自体をも避ける事が出来ました。Lの西口、Hの杉内、斉藤などはそのような目に見えない重圧によってマリーンズを完璧に抑える事が出来なかったような気がします。試合間隔の空いた9月中旬以降に小野を中継ぎにシフトチェンジ出来たのも、薮田、藤田、小林雅のリリーフ陣には心強かったことでしょう。

こういった作戦面でもおおむね良い方に作用しましたが、ボビーの人格によって選手から全幅の信頼を得た事も非常に大きい要素だったと思います。ボビーが名指しで批判するようなコメントをただの1度も聞いた事がありませんし、これによって救われた選手は1人や2人ではないでしょう。優勝特番で里崎が「大ベテランの初芝さんの全力疾走を見て、ここで燃えなきゃ男じゃない」のコメントに代表されるように、常に前向きの姿勢で選手を鼓舞し続けたボビーを胴上げする為に、全員が気持ちを奮い立たせたのがホークスを撃破する原動力になっていたと思います。

ファンサービスについては、スタッフ全員が一丸となってファンを喜ばせる企画を次々に打ち立てたと思います。福岡で行われた2ndステージを観戦できないファンの為に、マリーンズはマリンスタジアムにおいて無料でパブリックビューイングを実施しました。そして、1stステージの入場料もレギュラーシーズンを下回る3000円/1500円という実に良心的な価格設定を実施しました。儲けようと思えばいくらでも高い値段を付ける事が出来たであろうに、マリーンズは見事なまでにファンに「還元」しました。(パチパチ)その他にもイメージガール的な位置付けのM☆Sprashのお嬢さん達による100円という格安のマッチカードプログラムの販売や、ナイトゲームにおける毎試合の花火の打ち上げ等、数え上げたらキリがないほどのファンサービスで楽しませてくれました。頑なにベイスターズファンを続けるヨメさんに「また来たくなるスタジアム」と言わせしめた事は、ファンサービスの成功の1つの象徴ではないかと、個人的に思っている次第です。(笑)

95年にフロントとの意見の喰い違いから志半ばでマリーンズを去らねばならなかったボビーが、昨年監督就任のオファーを快く受諾してくれた事が、今回の栄光を掴む事の出来た最大の要因ではないでしょうか。それにしてもボビーの日本語のヒアリングは完璧ですね!この点はサッカーの日本代表監督のジーコに匹敵すると思います。優勝インタビューの際も、民放のインタビュー番組の際も「この栄光は選手の努力の賜物であって、決して私の力によるものではない」という姿勢を崩さなかったボビー。ファンの1人として深く深く感謝の気持ちを捧げずにはいられません!

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フクオカヘ、イキマショー!

最近、頭の中がマリーンズ一色になっているヤスシです。(苦笑)

ライオンズとのプレーオフ1stステージ、マリーンズは見事2連勝で突破いたしました!
たった今、公式サイトの第2戦ダイジェストを観て、ボビーのインタビューの最後の言葉「フクオカヘ、イキマショー」に感激して年甲斐もなくウルウルしてしまいましたぁ。(笑)
プレーオフという大一番が設けられた事で、レギュラーシーズンのゲームを遥かに超える感動を味わえたことは心から幸福に感じます。CSでの観戦でしたが、チャンステーマの際のヴォルテージはまさに鳥肌モノでした。

第1戦の初球にいきなりLの栗山選手にHRされて、マウンドにいた俊介同様唖然としてしまいましたが、異例の強い風にも徐々にアジャストして素晴しい投球を見せてくれた俊介にエースの風格を感じました。5回の同点のシーンではラッキーなヒットで出塁した今江に続いて、しぶとくライト前へ運んだ橋本の巧打が光ります。そして幸一サンの快心の一撃・・グランドスラムにならなかったのはなんとも残念でしたが、あの一打で同点に出来た事で流れが変わりましたね。
そして6回の守備での西岡の超美技3連発!長い事野球を観ていますが、1イニングに3度続けてのファインプレーは記憶にありません。9月のホークス4連戦の初戦での5点差逆転のシーンと共に、シーズンが全て終了した時に「流れを大きく変えたシーン」として、長くマリーンズファンに語り継がれるプレーになるかも知れません。
8回の決勝点となったフランコの一打ですが、解説の大村巌さんが「気合の入った時のフランコは普段なら簡単に見逃してしまうボールにしゃにむに喰らいついていく」と言っていましたが、私もヨメさんに「今日のフランコは4打席ノーヒットでも最後に打つよ」と話していたとうり、気合でセンター前に運んでくれました。
シーズン後半は全く打てる気がしなかった西岡ですが、守備に関しては打撃に影響されることなく、目に見えて上手くなっていったシーズンでした。守備力の差が如実に表れたゲームだったと思います。

そして昨日の第2戦、小林宏之のピッチングはRS最後の登板のファイターズ戦を彷彿とさせる、完璧な内容でした。打線も初戦の大殊勲者である西岡を外して1番に起用された小坂が見事な3塁打で抜擢に応えました!こういった選手起用がボビーらしいところなんですが、見事に結果を出すあたりは単なる「カン」とは思えないですね。
6回の追加点のシーンでは、好調だった前半戦を思わせるベニーのタイムリー、一発を狙わず巧打者ぶりを見せつけたスンヨプ、響き渡るチャンステーマに乗ってセンター前へ弾き返した今江、と今シーズンを象徴する「つなぐ野球」の醍醐味を堪能しました。
ライオンズも「おかわり君」こと、中村選手のHRで宏之をマウンドから退けたあたりに去年のチャンピオンの意地を感じましたが、藤田、小林雅のリリーフ陣は鉄壁でした。

レギュラーシーズンを遥かに上回る熱気に後押しされて1stステージを2連勝で撃破したマリーンズの勇姿を観る事が出来て、本当に幸せです。B級戦力(失礼!)ながら全力を結集させて栄光に突き進むマリーンズ。これぞスポーツの醍醐味、というシーンを実感させてもらい、幸福に浸る事の出来た2日間でした。

最後にマリーンズの勝利を素直に讃えてくれたライオンズの選手達にも拍手を送りたいと思います。ファンが「スポーツマンシップ」なら、選手も「スポーツマンシップ」こんな爽やかなパ・リーグをこれからも応援したいと思います。

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データで振り返る’05年パ・リーグ投手陣

個人記録などを知りたい時に参考にするサイトがあるんですが、パ・リーグの先発投手の比較をしてみたいと思い、データを抜粋してみました。パ・リーグ全体で規定投球回数に達したのは15人。ホークスとマリーンズはそれぞれ4人づつが記録していますが、ローテーション投手の全体像が見えてこないので、投球回数を90に設定して組み直してみました。
該当するのはパ・リーグ全体で28人。各チーム4-6人が入ってくるので、先発のスタッフの様子が大体見えてきます。色々な項目があるのですが、防御率以外の比較をするため、1試合あたりに許した安打数・四死球数を計算して付け加えてみました。そして両方を足して1試合あたりに許した出塁数も計算してみました。
安打数から個人で優秀だったのは杉内(S)が6.87で1位。以下ベストテンは松坂(L)7.20、渡辺俊(M)7.32、和田(S)7.63、斉藤(S)7.74、セラフィニ(M)8.15、西口(L)8.22、小野(M)8.52、入来(F)8.78、小林宏(M)8.80の順で、M4人、S3人、L2人、F1人とやはり上位チームの投手が多く顔を出しています。
四死球数では渡辺俊(M)が断然少なく1.49の数字を誇っています。同様に10位までは小野(M)1.85、星野(S)1.87、小林宏(M)1.90、杉内(S)1.97、川越(B)1.97、帆足(L)2.21、西口(L)2.25、岩隈(E)2.27、清水(M)2.30の順になりました。チーム別ではM4人、S2人、L2人、B1人、E1人と少しバラけましたが、マリーンズはこちらにも4人を輩出しておりスタッフの優秀さが窺えると思います。

最終的には安打と四死球トータルで許した数の少ない選手が総合的に優れている、という事になると思いますがこのランキングでは渡辺俊(M)が8.81、杉内(S)が8.84とこの2人の数字が断然光ります。他に「10」以下の数字を残したのは松坂(L)の9.67僅か1人。安打だけでも10人以上許す投手も散見されるのですから、松坂を含めた3人は05年のパ・リーグを代表する投手といって間違いないでしょう。せっかくですのであとの7人の名前も挙げておきましょう。小野(M)10.37、西口(L)10.47、和田(S)10.55、斉藤(S)10.66、小林宏(M)10.70、久保(M)11.18、星野(S)11.31となりました。M4人、S4人、L2人とはからずも上位3チームで独占する結果となりました。

チームごとに眺めてみるとマリーンズは渡辺俊、清水、小林宏、セラフィニ、久保、小野と6人がいづれも10勝以上を挙げており、安打で清水が9.31、四死球でセラフィニが3.63と水準程度なのが目立つだけでトータルでは全員が安定した数字を残しています。
ホークスは杉内、和田、斉藤、新垣の4人が10勝以上、故障で離脱した星野も内容は安定していました。新垣が4.61の防御率、13.76の出塁数と平均を大きく下回っているのが気になるところです。
ライオンズは松坂、西口は申し分ない成績を残しましたが、13勝の帆足が防御率4.03、97イニング投げた河原は防御率5.38というひどさで5割以下の成績も仕方のないところでしょう。
4位と大健闘したオリックスですが、先発ではJPが14勝と健闘したものの内容は安定していた川越は6勝どまり、ケビンは4勝13敗、前半活躍した光原も7勝したものの防御率は5.12と、菊地原、加藤、大久保のリリーフ陣が大活躍しなかったらどうなっていたでしょう。
終盤までプレーオフ争いに食い込んだファイターズはエースの金村が13勝をと面目を保ちました。入来は防御率3.35、安打数も8.78と水準以上の内容でしたが、不思議と勝ち運に見放されて6勝どまりでした。ダルビッシュは94イニングで5勝5敗の成績でしたが、HRを7本しか打たれておらず3.53の防御率と合わせて1年目としては素晴しいと思います。それに続く鎌倉も防御率3.72で7勝と来季以降が楽しみです。
ゴールデンイーグルスは岩隈が防御率4.99、9勝と辛うじてエースの意地を見せてくれましたが、それに続く有銘、一場、ホッジス、ラスがいづれも2-3勝どまりと壊滅状態でした。

こういった感じでちょっと違った角度からパ・リーグ投手陣を検証してみました。
週末からはいよいよプレーオフが始まります。初戦の先発はMが渡辺俊、Lが松坂と思われますが、ロースコアの戦いが予想されますので、センターにはぜひ大塚明を起用して欲しいです。ベニーが戻ってくるかもちょっと気になりますが。初戦を取れれば1stステージの勝利は間違いないでしょう。

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