「金」に等しい4位 トリノ2
フィギュアの村主さんではなく、アルペン・男子回転の皆川選手の事です。
日本ではスキーと言えばジャンプ、なんでしょうがヨーロッパでは「華」と言えば回転、滑降などのアルペン競技が断然人気のようです。思い起こせば札幌大会以前に冬季五輪で日本が獲得したメダルは、’56年大会の回転での猪谷千春さんの銀メダルただ一つでした。それから50年という長い間、日本選手はアルペンで入賞した事すらなく、レベルの違いを見せ付けられた思いでした。
それゆえ、今回の皆川賢太郎さんの3位に0.03秒差という素晴しい成績は、アテネの水泳女子800m自由形の柴田さんの金メダルに匹敵する「快挙」として、讃えられるべき成績だと思います。2回目に10人抜きで7位入賞を果たした湯浅選手の大健闘も記憶に留めたいです。
同じ日にショート・トラックで準決勝進出を果たした小沢美夏さんの満足感溢れるインタビューも素敵でした。新たな美人選手の発見!というところでしょうか。(笑)長野大会以降、新旧交代がスムーズに進んでいないように見えるショート・トラックですが、ルックスだけでなく(笑)、実力でも小沢美夏さんの今後に期待します。
そして、男子500mで6位入賞を果たした、寺尾悟さんの爽やかなインタビューも忘れられません。長きに渡ってショート・トラックのエースとして競技を牽引した、寺尾さんの功績を讃えたいと思います。
冒頭で記した村主章枝さんですが、私はソルトレーク大会の彼女の演技を観て、競技に対する認識を改めたほどの大きな感動を得ました。それまではフィギュア・スケートというものは「芸術」ではあっても「スポーツ」では無い、くらいの低い認識しかなかった私ですが、時間が止まってしまったのではないかと思わせるほどの緊張感の漲る演技に、かつて無い感動を覚えたものでした。
今回はそれまで1位だった選手の転倒などもあり、祈るような気持ちで観ておりましたが、私には非の打ち所の無い演技に感じられました。正に素晴しい!の一語に尽きます。
採点には大いに納得のいかない面もあるのですが、それを言ってしまったら競技自体が成り立たなくなってしまうでしょう。ファンの一人として、村主さんに大きな拍手を贈りたいと思います。
今回は同じフィギュアの荒川さんの金メダル一つのみ、という結果に終わってしまいましたね。彼女のメダルが無かったら、回転の皆川選手の結果が「ドーハの悲劇」みたいなおかしな報道の仕方をされたかも知れません。そんな風にならなくて、本当に良かったと思います。本当に「メダル獲得」が国民の総意なら、防衛費を少し削ってでも各競技の強化に(特に底辺の拡大に)使っていただきたい、と思いますが、いかがでしょう?
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