Bobby's Children

マリーンズがパ・リーグを制覇してから早3日。ヤスシもようやく落ち着きを取り戻しました。(笑)

優勝祝勝会をCSで観ました。選手のはしゃぎっぷりは脳裏に焼きついておりますが、印象的だったのは重光Jr.の挨拶の短かった事。こういった場ではお年寄り然としたオーナーが、長々と気持ちのこもっていない挨拶をするのが恒例のように思うのですが、さすがは元陸上選手でもある重光Jr.、選手の気持ちをよーく判っていらっしゃる!そして、マイクを向けられたボビーが滝の如く選手にビールをかけられながらも、いやな顔ひとつせず、「ドーモ、ドーモ」と楽しそうに応えていましたね。

バレンタイン監督が再びマリーンズに就任してから2年間で、ようやく選手に彼の意図が浸透して栄光を掴みました。際立ったスター選手のいない中、「常に1つ先の塁を狙う意欲」を全選手に植え付け、それを実戦の場で着実に実践する事によって大幅に得点力をアップさせました。2ndシリーズ5選目の逆転のホームを踏んだ福浦の走塁に顕著に現れていたと思います。彼はそんなに足の速い選手ではないと思いますが、シーズン中から何度となく1塁、あるいは2塁からギリギリのタイミングになる打球でホームを陥れてきました。打球判断の素晴らしさが実を結んだんだと思います。
捕手を含め、常に3人のレギュラーを抱えてシーズンに臨む作戦も、プレーオフではライオンズがカブレラ、ホークスが城島という中心選手を欠いた事による戦力ダウンをマリーンズは免れる事が出来ました。
投手起用においても、中6日のローテーションを崩す事がありませんでした。これによって先発投手陣の故障による離脱を防げたと共に、2人あるいは3人の主力投手に肉体的、精神的な負担が集中して大一番において力を発揮できないような自体をも避ける事が出来ました。Lの西口、Hの杉内、斉藤などはそのような目に見えない重圧によってマリーンズを完璧に抑える事が出来なかったような気がします。試合間隔の空いた9月中旬以降に小野を中継ぎにシフトチェンジ出来たのも、薮田、藤田、小林雅のリリーフ陣には心強かったことでしょう。

こういった作戦面でもおおむね良い方に作用しましたが、ボビーの人格によって選手から全幅の信頼を得た事も非常に大きい要素だったと思います。ボビーが名指しで批判するようなコメントをただの1度も聞いた事がありませんし、これによって救われた選手は1人や2人ではないでしょう。優勝特番で里崎が「大ベテランの初芝さんの全力疾走を見て、ここで燃えなきゃ男じゃない」のコメントに代表されるように、常に前向きの姿勢で選手を鼓舞し続けたボビーを胴上げする為に、全員が気持ちを奮い立たせたのがホークスを撃破する原動力になっていたと思います。

ファンサービスについては、スタッフ全員が一丸となってファンを喜ばせる企画を次々に打ち立てたと思います。福岡で行われた2ndステージを観戦できないファンの為に、マリーンズはマリンスタジアムにおいて無料でパブリックビューイングを実施しました。そして、1stステージの入場料もレギュラーシーズンを下回る3000円/1500円という実に良心的な価格設定を実施しました。儲けようと思えばいくらでも高い値段を付ける事が出来たであろうに、マリーンズは見事なまでにファンに「還元」しました。(パチパチ)その他にもイメージガール的な位置付けのM☆Sprashのお嬢さん達による100円という格安のマッチカードプログラムの販売や、ナイトゲームにおける毎試合の花火の打ち上げ等、数え上げたらキリがないほどのファンサービスで楽しませてくれました。頑なにベイスターズファンを続けるヨメさんに「また来たくなるスタジアム」と言わせしめた事は、ファンサービスの成功の1つの象徴ではないかと、個人的に思っている次第です。(笑)

95年にフロントとの意見の喰い違いから志半ばでマリーンズを去らねばならなかったボビーが、昨年監督就任のオファーを快く受諾してくれた事が、今回の栄光を掴む事の出来た最大の要因ではないでしょうか。それにしてもボビーの日本語のヒアリングは完璧ですね!この点はサッカーの日本代表監督のジーコに匹敵すると思います。優勝インタビューの際も、民放のインタビュー番組の際も「この栄光は選手の努力の賜物であって、決して私の力によるものではない」という姿勢を崩さなかったボビー。ファンの1人として深く深く感謝の気持ちを捧げずにはいられません!

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フクオカヘ、イキマショー!

最近、頭の中がマリーンズ一色になっているヤスシです。(苦笑)

ライオンズとのプレーオフ1stステージ、マリーンズは見事2連勝で突破いたしました!
たった今、公式サイトの第2戦ダイジェストを観て、ボビーのインタビューの最後の言葉「フクオカヘ、イキマショー」に感激して年甲斐もなくウルウルしてしまいましたぁ。(笑)
プレーオフという大一番が設けられた事で、レギュラーシーズンのゲームを遥かに超える感動を味わえたことは心から幸福に感じます。CSでの観戦でしたが、チャンステーマの際のヴォルテージはまさに鳥肌モノでした。

第1戦の初球にいきなりLの栗山選手にHRされて、マウンドにいた俊介同様唖然としてしまいましたが、異例の強い風にも徐々にアジャストして素晴しい投球を見せてくれた俊介にエースの風格を感じました。5回の同点のシーンではラッキーなヒットで出塁した今江に続いて、しぶとくライト前へ運んだ橋本の巧打が光ります。そして幸一サンの快心の一撃・・グランドスラムにならなかったのはなんとも残念でしたが、あの一打で同点に出来た事で流れが変わりましたね。
そして6回の守備での西岡の超美技3連発!長い事野球を観ていますが、1イニングに3度続けてのファインプレーは記憶にありません。9月のホークス4連戦の初戦での5点差逆転のシーンと共に、シーズンが全て終了した時に「流れを大きく変えたシーン」として、長くマリーンズファンに語り継がれるプレーになるかも知れません。
8回の決勝点となったフランコの一打ですが、解説の大村巌さんが「気合の入った時のフランコは普段なら簡単に見逃してしまうボールにしゃにむに喰らいついていく」と言っていましたが、私もヨメさんに「今日のフランコは4打席ノーヒットでも最後に打つよ」と話していたとうり、気合でセンター前に運んでくれました。
シーズン後半は全く打てる気がしなかった西岡ですが、守備に関しては打撃に影響されることなく、目に見えて上手くなっていったシーズンでした。守備力の差が如実に表れたゲームだったと思います。

そして昨日の第2戦、小林宏之のピッチングはRS最後の登板のファイターズ戦を彷彿とさせる、完璧な内容でした。打線も初戦の大殊勲者である西岡を外して1番に起用された小坂が見事な3塁打で抜擢に応えました!こういった選手起用がボビーらしいところなんですが、見事に結果を出すあたりは単なる「カン」とは思えないですね。
6回の追加点のシーンでは、好調だった前半戦を思わせるベニーのタイムリー、一発を狙わず巧打者ぶりを見せつけたスンヨプ、響き渡るチャンステーマに乗ってセンター前へ弾き返した今江、と今シーズンを象徴する「つなぐ野球」の醍醐味を堪能しました。
ライオンズも「おかわり君」こと、中村選手のHRで宏之をマウンドから退けたあたりに去年のチャンピオンの意地を感じましたが、藤田、小林雅のリリーフ陣は鉄壁でした。

レギュラーシーズンを遥かに上回る熱気に後押しされて1stステージを2連勝で撃破したマリーンズの勇姿を観る事が出来て、本当に幸せです。B級戦力(失礼!)ながら全力を結集させて栄光に突き進むマリーンズ。これぞスポーツの醍醐味、というシーンを実感させてもらい、幸福に浸る事の出来た2日間でした。

最後にマリーンズの勝利を素直に讃えてくれたライオンズの選手達にも拍手を送りたいと思います。ファンが「スポーツマンシップ」なら、選手も「スポーツマンシップ」こんな爽やかなパ・リーグをこれからも応援したいと思います。

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データで振り返る’05年パ・リーグ投手陣

個人記録などを知りたい時に参考にするサイトがあるんですが、パ・リーグの先発投手の比較をしてみたいと思い、データを抜粋してみました。パ・リーグ全体で規定投球回数に達したのは15人。ホークスとマリーンズはそれぞれ4人づつが記録していますが、ローテーション投手の全体像が見えてこないので、投球回数を90に設定して組み直してみました。
該当するのはパ・リーグ全体で28人。各チーム4-6人が入ってくるので、先発のスタッフの様子が大体見えてきます。色々な項目があるのですが、防御率以外の比較をするため、1試合あたりに許した安打数・四死球数を計算して付け加えてみました。そして両方を足して1試合あたりに許した出塁数も計算してみました。
安打数から個人で優秀だったのは杉内(S)が6.87で1位。以下ベストテンは松坂(L)7.20、渡辺俊(M)7.32、和田(S)7.63、斉藤(S)7.74、セラフィニ(M)8.15、西口(L)8.22、小野(M)8.52、入来(F)8.78、小林宏(M)8.80の順で、M4人、S3人、L2人、F1人とやはり上位チームの投手が多く顔を出しています。
四死球数では渡辺俊(M)が断然少なく1.49の数字を誇っています。同様に10位までは小野(M)1.85、星野(S)1.87、小林宏(M)1.90、杉内(S)1.97、川越(B)1.97、帆足(L)2.21、西口(L)2.25、岩隈(E)2.27、清水(M)2.30の順になりました。チーム別ではM4人、S2人、L2人、B1人、E1人と少しバラけましたが、マリーンズはこちらにも4人を輩出しておりスタッフの優秀さが窺えると思います。

最終的には安打と四死球トータルで許した数の少ない選手が総合的に優れている、という事になると思いますがこのランキングでは渡辺俊(M)が8.81、杉内(S)が8.84とこの2人の数字が断然光ります。他に「10」以下の数字を残したのは松坂(L)の9.67僅か1人。安打だけでも10人以上許す投手も散見されるのですから、松坂を含めた3人は05年のパ・リーグを代表する投手といって間違いないでしょう。せっかくですのであとの7人の名前も挙げておきましょう。小野(M)10.37、西口(L)10.47、和田(S)10.55、斉藤(S)10.66、小林宏(M)10.70、久保(M)11.18、星野(S)11.31となりました。M4人、S4人、L2人とはからずも上位3チームで独占する結果となりました。

チームごとに眺めてみるとマリーンズは渡辺俊、清水、小林宏、セラフィニ、久保、小野と6人がいづれも10勝以上を挙げており、安打で清水が9.31、四死球でセラフィニが3.63と水準程度なのが目立つだけでトータルでは全員が安定した数字を残しています。
ホークスは杉内、和田、斉藤、新垣の4人が10勝以上、故障で離脱した星野も内容は安定していました。新垣が4.61の防御率、13.76の出塁数と平均を大きく下回っているのが気になるところです。
ライオンズは松坂、西口は申し分ない成績を残しましたが、13勝の帆足が防御率4.03、97イニング投げた河原は防御率5.38というひどさで5割以下の成績も仕方のないところでしょう。
4位と大健闘したオリックスですが、先発ではJPが14勝と健闘したものの内容は安定していた川越は6勝どまり、ケビンは4勝13敗、前半活躍した光原も7勝したものの防御率は5.12と、菊地原、加藤、大久保のリリーフ陣が大活躍しなかったらどうなっていたでしょう。
終盤までプレーオフ争いに食い込んだファイターズはエースの金村が13勝をと面目を保ちました。入来は防御率3.35、安打数も8.78と水準以上の内容でしたが、不思議と勝ち運に見放されて6勝どまりでした。ダルビッシュは94イニングで5勝5敗の成績でしたが、HRを7本しか打たれておらず3.53の防御率と合わせて1年目としては素晴しいと思います。それに続く鎌倉も防御率3.72で7勝と来季以降が楽しみです。
ゴールデンイーグルスは岩隈が防御率4.99、9勝と辛うじてエースの意地を見せてくれましたが、それに続く有銘、一場、ホッジス、ラスがいづれも2-3勝どまりと壊滅状態でした。

こういった感じでちょっと違った角度からパ・リーグ投手陣を検証してみました。
週末からはいよいよプレーオフが始まります。初戦の先発はMが渡辺俊、Lが松坂と思われますが、ロースコアの戦いが予想されますので、センターにはぜひ大塚明を起用して欲しいです。ベニーが戻ってくるかもちょっと気になりますが。初戦を取れれば1stステージの勝利は間違いないでしょう。

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2005年のマリーンズ

「データで振り返る05年のマリーンズ」という訳で今日の日刊スポーツに掲載されたパ・リーグの打撃成績及び投手成績を読んでいたら、興味深い数字を発見しました。
打撃成績では得点が740でもちろんパ・リーグ1位なんですが、(2位のホークスが658)眼を惹くのは2塁打・3塁打の多さです。下の表は左から2塁打・3塁打のチーム総数です。
1 M 278 1 M 34  
2 L 234 2 H 23
3 H 225 3 F 22
4 E 209 4 L 18
5 B 202 5 B 17
5 F 202 6 E 16
昨日お話した「1つ先の塁へ進む意欲」はこの数字によく現れていると思います。
投手成績では四球の少なさが目立ちます。チーム総数は283でもちろんリーグ最少ですが、次に少ないオリックスでさえ357、ワーストの日本ハムは467ですからいかにマリーンズ投手陣が無駄な四球を与えていないか判りますよね。安打・本塁打ではホークスより多く打たれているのですが、四球の少なさが3.21というリーグ1位の防御率に貢献していたのですね。

では、各選手の今年の印象を振り返ってみたいと思います。
打者ではまず今江から。初めて1シーズン通して出場したにもかかわらず、本来疲れが出てくるはずの7月以降にぐんぐん打率を上げて首位打者を狙えるポジションにまで達しました。並外れた体力の持ち主なんでしょうね。なんでも2ストライクでの打率が12球団トップだそうで、思い切りの良さも爽快でした。打席では強面なんですが、ヒットを打った時やヒーローインタビューでの屈託のない笑顔が少年ぽくて印象的でした。
8月中旬からベニーにかわって4番を任されたサブローの活躍ぶりも見事でした。それまでは.280くらいだった打率が4番に座ってからは快打連発で.313まで上がりました。規定打席には及びませんでしたが、安定した守備と共に貢献度大だと思います。
地味ではありましたがシーズン通して活躍したのがフランコです。.300・20HR・78打点とトータルでは安定した活躍ぶりでした。チーム最多の520打席は一番信頼されていたなによりの証です。窮屈そうなフォームと昨年の成績からは多くを望めないと思ったのですが、7月の打線全体の下降時に必死にボールに喰らいついていたシーンは印象的でした。去年を上回る成績を残せたのは影の努力の賜物なのでしょう。インタビュー時の「アリガトゴザイマシター」は性格の良さを物語っていると思います。
腰痛を抱えながら随所でタイムリーを放ち、5年連続の3割をマークした福浦、30HRの内26本が勝利に結びついたイ・スンヨプ、前半戦の快進撃の象徴であり、ダントツの11の3塁打とともに屈指の広い守備範囲で貢献した西岡、スランプの無い安定した打撃で9年振りの3割を記録した堀、もはや職人芸とも言えるフィールディングの上手さを堪能させてくれたと共に、切り込み隊長として.283の打撃でも貢献した小坂、「ミスターお立ち台」と呼ばれる底抜けの明るいキャラクターと共に、迫力あるバッティングフォームで窮地をたびたび救った里崎、里崎とは対照的な捕手らしい落ち着きのあるリードで投手陣を引っ張った橋本、もはや「控え」とは呼ばせないほどスタメン、代打、守備固めのいずれでも思い切りの良さを見せ付けてくれた大塚、前半戦の快進撃の中心となって長打を連発したベニー、12人いづれもが持ち味を存分に発揮したシーズンでした。

投手やスタッフについては次の機会に印象を述べたいと思います。

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マリーンズサポーターありがとう!

久々の更新でございます。(汗)2005年パ・リーグのレギュラーシーズンの全日程が終了しましたので、自分なりの感想を書かせていただこうと思います。
今シーズン、生で観戦したのはわずか2試合でしたが、暇にまかせて?スポーツ・アイ以外のCS中継はほとんど観ました。最初に申し上げたいのは毎試合スタンドに足を運んでチームを心からサポートしたマリーンズサポーターの情熱です。他のチームのファンの方も熱心なんですが、マリサポの素晴しいところは「選手と一緒に戦っている気にさせてくれる」バラエティに富んだ楽しい応援スタイルです。飽きないしノリがいいんです。特に1試合に1-2度、ここぞという場面で登場する「チャンステーマ」は勇壮でスピーディーで力強い。思い返してみると、この「チャンステーマ」がマリーンズファンになるきっかけだったかも知れません。
今シーズン、マリーンズは35の「貯金」をしました。ホークスがそれよりも更に9つ余分に「貯金」をしましたので、2位に甘んじたのですが、この35の貯金というのがどれほど凄い数字かを実感する為にセ・パ共に1シーズン制に戻った’83年以降の優勝チームの「貯金」の数を調べてみました。優勝チームで35を上回ったのは’83西武・’89読売・’90西武・読売・’91西武・’95オリックス(35で同数)・’02西武・’03阪神の僅か8チームしかありません。ちなみに2位のチームで貯金が35を上回ったというと’56年の南海ホークス(貯金44!)まで遡ってしまいます。この他に2位以下で貯金30を上回ったのは2リーグ以降(’50年ー)では延べ9チームのみ(’55年の毎日は3位で貯金30を記録!)達成できた、途方もない数字なのです。
思わずマニアックな方向へ進んでしまいましたが(笑)、要するに「堂々と胸をはれる成績」なのです。勝負の世界は何が起きるか判らないものですが、プレーオフの1stステージでは実力の差を見せ付けてくれるでしょう。そして2ndステージでホークスを撃破したら、九州で暴動が起きるかも知れませんが・・(笑)
プレーオフの是非については喧々諤々の議論が交されているようですが、今年も揉めるようなら2シーズン制しかないんじゃないでしょうか?(笑)

今年の好成績の原動力はなんといっても選手の頑張りに尽きると思いますが、好調を維持できるよう、選手層を厚くしてシーズンを乗り切ったボビーの用意周到なチーム構成には流石、と唸るよりありません。新人王候補として大活躍した久保投手以外には去年と殆ど変らぬ顔ぶれでこれだけの好成績を収めた舞台裏には、長い監督生活の中で培った中級クラスのチームを優勝争いに加わらせる為のノウハウが奇跡ともいってよい結実ぶりを見せたからに他ならない、と思います。
以前にもちょっと述べましたが、ホークスの松中・ズレータ、ライオンズのカブレラ・和田、ファイターズの小笠原・セギノールといった「大砲」のいないチームの得点力をアップさせる為に常に1つ先の塁を狙う意欲を全選手に植え付け、不必要なプレッシャーをバッターに与えない事によって「つないで」加点していく作戦が両リーグ最高の740点というチーム得点に如実に現れていると思います。話題になった捕手2人併立制やレギュラーを常に2人多く抱える事による「日替わりオーダー」のおかげで、前半と後半で好調選手が入れ替わってもチーム全体の得点力が落ちなかった事などもシーズン当初の構想が上手く実を結んだ好例と言えると思います。
選手個々の活躍ぶりについては改めて記してみたいと思います。

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得点圏打率の謎

最近の野球中継はデータ花盛りである。それは良いのだが、アナウンサーの熱意(あるいは能力)が低いと的外れなデータを提示されて、却ってつまらなくなる事がたびたびある。代表的なのは「対戦打率」だ。本当に相性が悪いかどうかを判断するなら最低過去3年のデータを遡って欲しい。「このバッターは4-2でなんと5割の高打率です。」だとか、「去年は8-1でなんと.125と全く苦手にしています」などとほざきやがる。1試合や2試合なら落合だって、イチローだって対戦打率.000なんて事はザラにある。君たちはかつて「プロ野球ニュース」のオフ企画だった、「カモと苦手」のコーナーなんか観たことがあるのかね?1年あるいは2年顔を見るのもイヤ、というほど苦手だった相手を克服するためのプロらしい探究心、こういうものを踏まえてカモだの苦手だのと言って欲しいもんだ。まあ、現在の中継はスタッフがあらかじめいろんなデータを用意してあるのだろうから、野球が好き、あるいはプロ意識を持ったアナウンサーでなければ、内容を吟味する事もなくこういったデータを鵜呑みにしてしまうんだろうなぁ。

それともう一つ気になるのが「得点圏打率」だ。これもここ数年やたら中継の中で取り上げられるデータだが、1,2番あるいは下位打者だと、4割を超えるような得点圏打率を残しながら意外なほど打点の少ない選手が少なくない。最近ようやく判ったのだが、この「得点圏打率」というものはランナーが2塁以降にいる場合、ヒットを打てば全てのケースで打率が上がるのである。つまり、ヒットを打ってもランナーがホームイン出来なければ、打点は増えないのである。
極端な例を2つ挙げてみよう。得点圏で10打数5安打、そのうち3本は2塁ランナーがホームへ還ってこれなかったとする。得点圏打率は.500見かけ上は「チャンスに強い」バッターだが、打点は2。
もう一人は10打席のうち犠牲フライが2度、7度の凡退のうち2度内野ゴロで打点を記録。唯一のヒットが3ランホームラン。これだと、得点圏打率は.125で「極端にチャンスに弱いバッター」にされてしまうが打点は7もある。
こんな隙間だらけのデータを鵜呑みにしている素人アナウンサー諸君、もう少し「野球のデータ」というものを研究してみてはいかがだろう。
ちなみに、私がこれに類するデータを提示するとしたら、「得点圏打率」ではなく、「得点圏打点率」だ。つまり、得点圏における打点を打席数で割ったものである。さきほどのケースを当てはめるなら、前者の得点圏打点率は.200であり、後者のそれは.700という高率に達するのである。
最後に結論。「どうせ仕事だから」と仕方なく実況している素人アナウンサーの諸君、中身の無いデータを提示して知ったかぶりをするのはこのへんにして、どうせ素人なんだから解説者のご高説にありがたくうなずいてあとは淡々と試合状況を放送してはいかがかな。
プロがこの記事を見ている事はまさか無いと思うが、異論、反論大いに結構!この記事を発奮材料にしてアナウンス技術を向上してくれたら、願ってもないことである。

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「巨人ファン」は野球ファンに非ず

最初に記事の改訂のお知らせを。あまりにもレイアウトが稚拙で気に病んでいた(笑)「ビートガールズ1」の構成を変更しました。これで少しは読んでいただければ良いのですが・・カテゴリー「歌謡ポップス」またはバックナンバー「JUNE 2005」からお入り下さい。

さて、本題に入りますが、今回の記事は読者の方に顰蹙を買うことは必至ですので、ちょっと「ビクビク」しておりますが、積年の思いをぶつけてみたいと思います。
私も小学校に上がる前は読売ジャイアンツのゲームをしばしば観ておりました。国鉄スワローズの大投手、金田正一が憎らしく思えた時代もありました。
それが小学校に上がって周囲を見渡すと読売のファンばかりではないですか。生来の天邪鬼であるヤスシが読売を嫌いになったのは、言うまでもありません。当時は男の子と言えばたいてい野球帽を被っており、みんなが申し合わせたようにYGのマークを付けておりました。それなら、ということでヤスシは西鉄ライオンズのマークを縫い付けてもらったのでした。
まだここらへんまでは、可愛いものです。単に「嫌いなチーム」というだけですから。
それから少々ガタイが大きくなるにつれて「どうして読売だけが特別扱いされるのだろう」という疑問を持つようになりました。何も読売だけがプロ野球のチームじゃあるまいし、ゴールデンタイムの野球中継は判で押したように読売のゲームばかり、スポーツニュースしかり、新聞記事にしてもいつも取り上げられるのはやっぱり読売。
この状況には呆れてしまい、いつしか読売ジャイアンツの存在を頭から消し去るように努めてきました。

前置きが長くなりましたが、タイトルの「巨人ファンは野球ファンに非ず」というのは、読売の事にしか関心を示さないくせに「野球を知っている」ような顔をする方々へ向けたものです。私の友人にも読売のファンがいますが、彼はチームとしてジャイアンツを応援していますが、ちゃんと他のチームの動向も気にしています。野球ファンだったら、例え憎っくきライバルチームの選手であっても、感動に値するプレーには心の中で拍手を送りますよね。こういった普通の野球ファンがジャイアンツを応援するのは自然のなりゆきだと思います。
一言言いたいのは勝敗しか見ていないくせに「野球は好きだよ」なんて顔をして、負けが込みだすととたんに試合を見なくなるような輩。「あんた、ゲームなんか観てないでしょ」って言いたくなりますよ。「だって読売の試合しかやってないだろ」という反論が聞こえてきそうですが、今のご時世でUHFが視聴できない地域の方が少ないのじゃないでしょうか?この辺、ちょっと差別発言だったかも知れませんね。要は読売ファンでも全然構わないから、パリーグの主力選手の活躍ぶりくらい、少しは関心を持ってくださいよ、という事です。
ちゃんとゲームを観ていれば他に応援したいチームが見えてくるだろうに、というのは一種の偏見でしょうか?

これ以上暴走すると自分でも何を言い出すのか判りませんので、(笑)ひとまずこの辺で筆を置く事にします。反論は随時受け付けますが、「殺すぞゴラァ」とかいうのはやめてね。(笑)

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マリーンズTV観戦記(顛末)

やりました!ゴーゴーオオツカアキラッ!
延長10回表、先頭打者堀のショート後方へのフライが内外野の中間に落ちたのですが、2塁ベースへ到達した堀が3塁ベースががらあきになっているのを見て、3塁を陥れました。その後1死1・3塁のチャンスに大塚が鋭いスイングで左中間を破る2塁打を放ち、決勝点を挙げました。更に今江の2点タイムリーなどでつごう4点をもぎとり、6-2で勝利しました!
ブログを一旦中断した時点では、後半に加点して久保がヒーローインタビューという図式を想定していたのですが、ファイターズ小田のソロHRで追いつかれてしまう予想外の展開になってしまいました。しかし7回途中から登板した薮田が逆転を許さず大塚の快打につなげました。薮田GJ!
大塚はインタビューで照れ臭いのか、極めてクールに対応していましたが、2軍にいる間、期するものがあったはずです。最近、打線が膠着化してしまい、スタメンをいじる事もままならないような状態だっただけに、大塚の決勝打は単なる1本では無く、スタメンを活性化させる大きな起爆剤になると考えます。
リーグ戦再開後、先制されたゲームは全て落としていただけに、この1勝で弾みがついてくれれば、と思います。

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マリーンズTV観戦記

たまにはリアルタイムでTV観戦記など。
今日のカードは東京ドームのファイターズVSマリーンズのゲームで、テレビ埼玉制作のものをCSのGAORA経由で観ています。先発はファイターズが話題のルーキー、ダルビッシュ、マリーンズは実力No.1ルーキー「クボチュウ」こと久保康友。ルーキー対決が大きな見所なんですが、個人的には放送席の解説&実況コンビに注目しています。
解説はプロ野球唯一の「一人三重殺」を記録した住友平さん。大変オーソドックスな語り口ですが、独特の技術論をひとりよがりにならずに、視聴者に判り易く解説してくれており、好感が持てます。実況は浦和レッズをはじめとする、サッカーでの実況においても落ち着いた語り口で安心して見ていられる上野晃さん。二人の息はぴったり合っており、音声を聞いているだけでも状況が手に取るように判ります。コンビとしての経歴もかなり長そうで、久しぶりに「完璧な」野球放送が楽しめそうです。
ゲームの方は4回途中まで進んでいますが、ファイターズが小笠原のソロHRで先制すれば、イ・スンヨプの2ランでマリーンズが逆転して2-1のスコアです。久保はHRを除けば相変わらず安定した制球ぶりです。一方のダルビッシュですが、HRの後崩れそうになるところを上手く持ちこたえており、強心臓ぶりを見せています。
この後どういった展開になるか楽しみですが、インタビューでクボチュウが「長打に気をつけて丁寧に投げました」というコメントをキボンヌ。(笑)

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15球団から勝利した投手

「全球団から勝利をあげた投手」という記録が話題になる事があります。ヤスシの記録に関する認識は’80年代で止まっておりますので、詳しい方にお任せしますが(笑)、かつて15球団から勝星をあげた投手がおりますので、酒の席の小ネタにでもしていただければ・・

その人は緒方俊明さんという方です。’47年から’49年まで読売に在籍され、5勝しています。2リーグ分裂の際、元は球団経営するつもりのなかった西日本をそそのかした穴埋めの為、’50年に西日本に移籍。20勝をあげる活躍ぶりでした。’51年に西日本と西鉄が合併した為、’52年まで西鉄に在籍します。西鉄時代は11勝しました。’51年の暮れ、「赤バットの川上、青バットの大下」と讃えられた球界の大スター、東急フライヤーズの大下弘さんの退団騒動が持ち上がり、緒方さんは同僚の深見さんと共に東急へ移籍します。東急では’55年まで在籍して17勝を記録して引退しました。

勝利の内訳は残念ながら不明なのですが、’50年はセリーグが8チームだった為7球団から勝利をあげているはずです。パリーグは’54年から8球団でしたので、西鉄と東急在籍時に都合8球団から勝利をあげた勘定になりますね。では、何故緒方俊明投手が「全球団から勝星」という話題で名前が挙がらないのでしょう?
勘の鋭い方ならもうお判りかも知れませんが、西日本パイレーツは’50年の1年かぎり存在した球団の為、同チームに在籍していた緒方投手は西日本から勝星をあげる事は物理的に不可能なのです。

年度によって好不調はあったようですが、トレードされた年には必ず2桁の勝星をマークした緒方投手。参考記録にしかならないかも知れませんが、こうした話題がでた時に取り上げてくれるマスコミが現れる事を願っています。

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